鑑賞情報
- 場所: 新宿バルト9シアター1
- 日時: 2013-09-25 13:35
- 制作費: とりあえずGスーツだけで2000万円
- キャッチコピー: その力は、正義か、破壊か―
あらすじ
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雑感
とりあえず破壊力はすごかったよ、とキャッチコピーに対して言っておく…
炎上物件としてド安定、ものの見事なまでの地雷映画としての呼び声が高そうな本作。
わかっている罠にわざわざハマりに行くこともない、と思っていたのだが自殺志願者の友人に介錯を頼まれては赴くしかあるまい、といった流れで観ることになった。
一説には制作費が80億とかいう記事も見たがさすがにそれはないと信じたい。8億ならあり得るかもしれない、というところだが。まともそうなソースで見る限りはスーツだけで2千万というのがあったので一応それだけは掲載しておく。
いずれにしてもかなりこけているのは間違いなさそう。もう公開終盤だろうということと、休みをとっている都合平日日中に行っているということを加味しても客は10人いなかったと思う。 そして最低1人は途中退席していたし、最低1人は営業の外回りの休憩にでも充てるつもりだったのか、最初から寝る姿勢に入っていた。あそこでわざわざ寝ようとするのも すごいものだが。
さすがにこれはネタバレ的な要素を踏まえても構わないと思うし、きちんと細かく突っ込むにはその辺は必要なので断りなしでネタバレになるようなシーンについても言及することにする。 個人的には大半の作品はネタバレしても楽しめると思うが、嫌な人は嫌な人でいるようなので念のため。
この映画で得られたこと
- 剛力彩芽をまともに動いている形で初めて見た
- 友人とテーマトークをする機会に恵まれた
- 世の中にはおぞましいほどに不真面目なプロダクトが存在すると思い知らされたこと
- どんなに個々人が頑張っても無駄になりうるということがあると知ったこと
この映画で失ったこと
- 貴重な時間
- 平穏な心の持ち様
- 2500円(パンフも買ったからな!)
脚本・構成
オリジナルのガッチャマンをほとんど知らないとはいえ、普通に見ていておかしいだろと言いたくなることが多すぎる。 シリアスな話にしたいんだよね?暗い話の中でも希望を忘れず明るくやってますよ、というテイストにしたいのではないかと 思われる–かなり好意的に捉えた結果だが–シーケンスが完全にテンポや雰囲気をぶち壊している。アヴェンジャーズあたりを 意識しているのではないかという話もあるが、だったらなおのことおちゃらけシーケンスだけで無駄に時間をとるようなことは すべきじゃない。ありがちなネタはあくまで本筋にもきちんと絡むところでやるからそれっぽい息抜きになるのだ。
本作はそういった意味でやり取りの全てがかなり微妙だ。
- くどくどと何のつもりで言わせているのかわからないような説明台詞。もう少し映像で見せようとか思わなかったのか
- しかも一貫性がないので破綻しまくっている印象しか与えない
- ウィルス-Xが何千年も前からうんたらってあんた…元々あったんならそんなに組織だって動くのももっと早くあるべきだろ
- なんでナチスを思わせぶりに登場させてるんだかわからんがだったらはっきり言い切ってしまうべきだ。そんなところで突っ込み恐れてるくらいならもう少しやり方考えろ
- 人類に時間がないという時に個人的な感情を優先してぐだぐだやるシーン。常識で考えて「そんなことしてる場合じゃない」と観客が思ってしまって興ざめすぎる
- 前後(主に後)を聞けば納得できなくはないけど、「俺は1千万人のために1人を犠牲にするという考えを否定する」はあまりかっこよくないぞ
- むしろ否定したところで全員死ぬならだめだろ
- そして実際には犠牲になりそうもないレベルの争いだった日にはどうしてくれよう
- 身近な日常に驚きのVFX!みたいなつもりでやったのかもしれないが導入部から考えると現代東京が完全に健在な状態からスタートしているのはおかしいだろ
- あの歯車さっさと止めようぜ、ギャラクターの雑魚いちいち相手している場合じゃないだろ
- 思い切り人がいないか、普通に歩いてたりして全然緊迫感がない。謎の力で東京だけは無敵ですみたいな説明でもないと納得できん
- 剛力さんがいきなりスイーツ的に買い物たんまりしてるのもイミフ。そんなに流通とか物資供給安定してんのなら壊滅状態じゃないだろ
- そもそも何のための「潜入作戦」だったのか?
- 雑魚の割にギャラクターの皆さんえらい強いのでなぜもっと侵略していないのか違和感
- 雑魚相手に随分苦戦しているのでほんとにこいつらで当てになるのかよくわからない
- 作中で一言もガッチャマンという言葉が出てこない。本当に「人々は彼らをこう呼んだ」のか?
- ガッチャマンそれに対する一般人の認識具合が不明。力があるのに迫害されていると見える状況なのか?
- やたら命令は出すものの理不尽に説明もしない南部博士、あれでガッチャマン内部の不和が生じる意味がわからん。博士は何様なのか。
- 都合よくグループ通話になったりならなかったりしているインカム。どうでもいいところでグループ通話になってるなら肝心なところもなっとけよ
- 見た目に無理があるカークランド博士。どう頑張っても兼倉博士みたいな風貌だぞ。
- 自分を認証端末にするなんて何考えてるんだと言いたくなるカークランド博士。セキュリティ意識薄すぎないか
- モスコーンの制御はジャミングしたらどうにか防げたんじゃないの?通信阻害に関して罠張ってるみたいな描写がないからなぜ発信源をどうにかしようとしているのかわからない
- ていうかあんな博士一人でしか制御させられないような巨大兵器なんか潰してもしょうがないんだから最初から破壊すりゃいいじゃない。回り道しすぎ
- 世の中日本語と英語しかないとでも思ってんのか。ヨーロッパ奪還パーティって主催どこなんだよ。なぜISO配下の一員なのに真っ向から入れないんだ
- アメリカとか中国とかロシアが不在過ぎ。ギャラクターにやられてるのかと思いきやモスコーンの標的にアメリカの2都市がなってるし、ロシア中国が全滅してたとしてもアメリカが空気なのはおかしい
- という意味で考えると日本人出張り過ぎ。不自然極まりない。
- ていうか外人キャラが日本語をシームレスに受け取りすぎ
- ギャラクター側も日本語堪能すぎ。お前出身プラハあたりだろ
- プラハの科学者が初代ベルクカッツェみたいな説明してる割になんで最初「東ヨーロッパ」なんだよ。ざっくりしすぎだろ
- 同様に東アジアとかアフリカ奥地とかなめてんのか
軽く箇条書きにしてみようと思ったら大変なことになってきてまだ全然収まっていないのだが、とりあえず総評としては、 あまりに脚本がおざなりというか、やり取りがいちいちコントみたいだと言えばいいのか。頭悪そうなやり取りしかなくて、 正直辟易する。もう少し悲しみに包まれた雰囲気を出せないものか。これは確実に役者の問題ではなくて脚本と間の取り方としての 演出の問題だ。本作についた肩書きは以下の3つなのだが…
- 日本テレビ60周年記念作品
- 日活100周年記念作品
- タツノコプロ50周年記念作品
お願いです。3社のうちの1社でも事前チェックしてこれでOKだと思ったのですかと伺いたい。
キャスティングをどうこう見る前にこれは本読み段階でだめだと思えるはずだ。
オリジナルを知らない人にもここまで納得出来ない点がある上に、知っている人からしたらどのくらい不満が噴出するかわかったものではない。