Review:Man of Steel

outputしようとか言っといてこれまた早数ヶ月なので、とにかく文章を書くことの練習がてら書いておくようにする。

鑑賞情報

  • 場所: 新宿ピカデリーシアター1
  • 日時: 2013-09-01 15:10
  • 方式: 3D字幕
  • 制作費: 2億2千500万ドル

あらすじ

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マーサ(ダイアン・レイン)とジョナサン(ケビン・コスナー)の夫婦に育てられたクラーク・ケント(ヘンリー・カビル)。クラークは実はクリプトン星に生まれ、星の滅亡を予測したジョー=エル(ラッセル・クロウ)が地球に送った彼の息子だった。幼い頃よりクラークは周囲の人々とは違う特殊能力を持っていることに苦悩していたが、やがて地球を守るという自らの使命に気付く……。
(Movie Walkerより引用)

雑感

公開直後に1st dayにぶち当たることもあり、ほぼ満員。携帯の電源切ってなかったり、なんか臭い人とかもいたりしてそういう面はどうしても閉口してしまうところはある。 まあ映画館で観るというのは良くも悪くもそういうことだろう。新宿という土地柄もあってか、結構外国人観客も見えた。

とりあえずブロックバスタームービーとして、またクリストファー・ノーランが関わる世界観をベースにしたジャスティスリーグへのつながりとして、ダークで リアリティを感じさせようとするスーパーマンのリブートとしてはある程度成功していると思う。 元々のスーパーマンがどうであれ、バットマンをダークナイトトリロジーとしてリブートしたように、一定以上のリアリティラインを引こうとしているのは 理解出来る。ノーランはアクションの描写が下手だけど、その辺をザック・スナイダーが受け持ったことでモッサリ感はなかった。ただし、もっさりさせないために 400mダッシュして10m休憩するインターバルトレーニングを2時間半続けるかのような呼吸が浅くなる構成とも感じられた。

ストーリーとしては、カル・エルことクラーク・ケントがいかにして地球に送られ、そしてスーパーマンとして立ち上がるまでを描いている。 一つの完結は迎えているものの、続編が確実にあることを意識させる終わり方だったように思う。

それもあってか、スーパーマンの誕生までを描く話で2時間半をかけるというのはちょっと長すぎるように感じた。具体的にはディザスター描写が多すぎることと、 「ウオオオオオオ!!!!」と叫びながら突撃する以外に戦闘術を持たないスーパーマンの戦闘描写が、相手が誰であっても代わり映えしづらいために単なる 繰り返しに見えてしまうことに理由があると思う。鑑賞中はそうはいっても前述のようにひとつひとつのシーケンスはそれなりのスピード感を出していたことと、 畳み掛けるようにすぐに次のシーケンスに突入していくためあまりダレた感じを持たせないようにしている。見終わった後、もしくは最後半部分あたりでまだ続くんかい、 と少しずつその繰り返し自体に飽きを感じさせてしまうように思った。

戦闘術が洗練されていないのは当然なので、今後はどうあれ今のスーパーマンが正面突撃しか基本出来ないのは納得する。ただそれが延々続くことと、CGのオブジェクトが 飛び交う中での高速移動というのがキャラクターの場所を探すのになかなか疲れる。いわゆるドラゴンボールバトルの高速感の演出はマトリックスの頃から続く 難しい課題なのではないか。アクションシーンの描写はボーンシリーズでひとつのエポックメイキングが起こったが、単なる激突だけでなく、そういったCQCめいた 描写を織り交ぜないとただのCG祭りになってしまう。小気味よく進めるためにはある程度カット出来るところがあったのではないかと感じた。

俳優陣はさすがと言える人が揃っていた。ケビン・コスナーはやっぱり農場のおっさんでアメリカを語らせたらさすがの説得力があるし、ラッセル・クロウも 科学者と言われてもちょっとわからないが、優しく導く父という感じはした。ローレンス・フィッシュバーンも久しぶりに見たらえらい恰幅がよくなってたけど 相変わらず。マイケル・シャノンが戦闘役としての苦悩も吐露しながら戦う様は単なる勧善懲悪でないことを示している。

音楽のハンス・ジマーはスーパーマンのテーマは使わないという方向で制作をしているそうで、その辺は良くも悪くも旧作を知らなくても入れる点かもしれない。 特にこのテイストでのリブートなのだから繋げたくないという意図はあるだろう。アンビエントな効果を狙ったシンセエフェクトが多かったように思うのだが、 前述のように携帯の電源を切っていない不届き者がいたりする状況では「また誰かの携帯鳴ってる…」みたいに勘違いするところもあった。

いずれにせよ、微に入り細を穿つように旧作との違いやつながりを探す向きには不適当だが、新たなスーパーマンサーガの誕生として突っ走って観る分には満足感は得られるだろう。

蛇足ながら、少なくともトレイラーの時点でかなりの地雷感が漂い、現状実際にそうなりつつあるガッチャマンあたりとは雲泥の差である。ちょうど鑑賞前にタマフルのpodcast を聞いていたので目に止まったのだけど、ひとつひとつのアクションに対して、エキストラ達がちゃんと反応している描写を挟んでいるからこそ、目の前のCG祭りに 対しての説得力が出ている。邦画のCG描写で何かいまひとつマッチしていないという印象を持たせてしまうものがあるとしたら、その辺りの描写の融合に対しての 本気度合いもあるかもしれない。